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日本企業の中国進出の現状と課題

ここでは、日本企業による中国進出の現状と課題、改善策や、日本企業が目指すべき方向性について解説します。

中国進出する場合の課題

米中の対立により、サプライチェーンや貿易面で米中経済の切り離し(デカップリング)が進む中、中国は友好的な外国との連携を重視しつつ、先進技術の取り込みやサプライチェーンの内製化など国内産業の強化を進めています。具体的には、新興技術による産業育成の重点分野を設定し、中国国内に該当分野のR&D機能を設ける外資企業に優遇税制を提供するなど、自国内の技術育成を支援しています。

こうした誘致に応じて中国にR&D機能を構える場合、優遇税制を得つつ中国進出ができる一方で、技術が流出する恐れがあります。また「データ安全法」の施行によって中国から技術を持ち出せなくなる可能性や、人材の流動性が高く、専門技術を持つ人材の引き抜きも盛んなため、人材流出によって知財が失われる可能性も考えなくてはなりません。

さらに将来、中国の技術が向上し競争力を持つようになった場合、逆に外資排除モードに転じる可能性があり、中国市場から撤退を余儀なくされる恐れもあります。

改善点

企業の対策として考えられるのは、製造機能を設置する場合、「いずれ技術が流出する」という前提の上で、流出しても自社の競争優位性を損なわない程度の技術に留めることです。例えば台湾の半導体ファウンドリー企業、台湾積体電路製造(TSMC)のように、先進の技術ではなく、「需要はあるけど一世代以上前の技術」などを選別して設置するのがおすすめです。

また、人材流出については、人事規程で「競業避止義務」を課すことも重要です。競業避止義務とは、自社と競合する会社に転職したり、自ら競合する会社を設立してはいけない、とする規程のこと。きちんと期間を規定し、保有していた技術が陳腐化するまで期間を考慮した方が良いでしょう。

「データ安全法」については、具体的な管理方法がまだ定まっていないため、その公表について引き続き注視していく必要があります。

こうした課題をクリアし、中国進出を成功させるためには、中国の事情に詳しい専門家を頼るのがおすすめです。こちらのページでは、中国進出実績が豊富なコンサルティング会社をご紹介しているので、ぜひチェックしてみて下さい。

経営上の問題点

JETROが行った「2021年度海外進出日系企業実態調査 中国編」によると、中国に進出した企業のうち、黒字企業の割合は中国全体で72.2%。コロナ禍で落ち込んだ2020年度調査の63.5%から8.7ポイント上昇し、「現地市場での売上増加」や「輸出拡大による売上増加」によって各企業が業績を伸ばしていることが分かりました。

一方で経営上の問題点では、「従業員の賃金上昇」(72.4%)が2020年度調査より9.1ポイント上昇。上位10項目の中では、「人材(一般スタッフ・事務員)の採用難」(32.1%)、「人材(中間管理職)の採用難」(28.1%)が2020年度調査からそれぞれ12.7ポイント増、7.5ポイント増となっており、各企業とも現地での人材確保に苦戦しているようです。

※参照元:JETRO[PDF](https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/7f30584ec766e1a0/20210066.pdf)

中国進出を検討している日本企業が目指すべき今後の方向性

中国では近年、外国人を活用した産業育成を行っており、研究機関や地場企業が国内外の人材を高い給料で雇ったり、豊富な開発資金を提供することで獲得し、イノベーション力を強化しています。日本企業が中国に進出する際は、技術・人材の流出に備えると共に、中国の優れた技術を柔軟に取り入れる発想を持つことが大切です。また、自らは優秀な人材の確保や研究開発に継続的に資金を投入することで、技術の優位性を保つ努力も行わなくてはなりません。

中国は膨大な人口を背景に、 中国は毎年300万人もの理系人材を国内外で育成し、日本の約20倍ものSTEM2人材を有しています。そして、すでに製薬研究やIT分野での研究開発、新エネ車・電池、太陽光パネルの開発・普及など次世代型の産業で一定の成果を上げています。 これまでの「中国より日本の技術が優れている」という認識は改め、中国の新しい技術やビジネスモデル、イノ ベーションの手法や中国人材などさまざまなリソースを適切に活用していくことが求められています。

日本のIPコンテンツへの期待

こうした中で、今の中国市場で注目されているジャンルが、漫画やアニメ、キャラクター、テレビ番組、映画などのIPコンテンツです。以前の中国は海賊版だらけでビジネスが成り立たない状態でしたが、中国コンテンツ企業の発展と、中国政府の海賊版対策強化が成果を上げ、急速に市場が成立するようになりました。中国消費者の要求度も上がっているため、日本のコンテンツをそのまま持って行くのではなく、中国市場の分析・マーケティングをしっかり行い、消費者ニーズに合ったコンテンツづくりを行うことが求められています。

編集チームまとめ

日本企業が中国に進出する際に考えるべき課題や改善策などをご紹介しました。技術の流出や人材確保の難しさ、また、政治的な問題により中国市場から撤退を余儀なくされる可能性があるなど、ネガティブな要素は少なくありません。その一方で、中国進出・事業拡大に成功し、高成長を享受している企業があるのも事実です。 大切なのは、知識を持った専門家に頼ることです。特に初めて中国進出を検討する企業なら、中国進出専門のコンサルタントの支援を受けるのがおすすめです。 こちらのページでは、編集部が厳選した優良な中国進出サポート企業をご紹介しているので、ぜひチェックしてみて下さい。

中国にも拠点を置く
支援コンサルは
今この進出市場をサポート

中国進出支援に特化しているコンサルタントファームは検索結果で調査できた限りでは全部で46社。
46社の数ある中国進出コンサルファームの内、日本国内に相談窓口を置き、なおかつ中国現地にも拠点を持っている、
いわば‟中国の今を知る“心強いパートナー候補となりうる会社は11社でした。
さらに、11社をカテゴライズしていくと、2022年9月現在では3つの進出市場の支援がにぎわっているようです。
まずは、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

越境ECでの事業拡大支援
ソーシャルコマースでの展開

ソーシャルコマースでの展開

中国版Tiktokなどにおいて、ブランド公式アカウントや動画コンテンツ内での公式ECショップ出店、独自の動画コンテンツ発信で知名度を高めるとともに、「ライブコマース」による販売拡大 (8000億円上振れ市場)

こんな企業におすすめ

新しい販売チャネルで中国での
製品知名度を上げ、戦略的に中国での販路拡大をしたい中堅企業

ソーシャルコマース支援を
得意領域とする
「ポリスター」を見る

ポリスターのHPで
支援内容を見る

越境ECでの事業拡大支援
ECモールへの出店

ECモールへの出店

中国国内ECプラットフォームにおいて高いシェア率を誇るタオバオや、97.4兆円以上の市場を持つTmallなど、大手ECモールへの出店をサポートし、販売拡大を実現してくれます。

こんな企業におすすめ

市場で埋もれない独自性のある
製品
を取り扱う、広範戦・遠隔戦で中国の市場を席捲したい企業

ECモールへの出店支援を
得意領域とする
「パル」を見る

パルのHPで
支援内容を見る

現地での事業拡大支援
現地での出店・事業拡大

F
現地での出店・事業拡大

飲食店や物販店に限らず、IT・金融商品やサロンなど、自社サービスを現地で提供するために法人を立ち上げたり、実店舗を出店したりして事業展開を行う企業をサポートしてくれます。

こんな企業におすすめ

物販以外のサービス拡大を現地で腰を据えて、中国現地密着型で
着実に事業拡大したい大手企業

現地での出店支援を
得意領域とする
「トータルソリューション」を見る

トータルソリューションの
HPで
支援内容を見る

【上記のカテゴリーでそれぞれ選定した会社とその基準】
2022年6月22日時点、「中国進出支援」でGoogle検索して表示されたコンサルティングファーム全て(46社)を調査。その中で日本にも中国にも拠点を持ち、日本人・中国人コンサルが在籍する中国進出支援に対応しているコンサルを選定(11社)。その中から中国進出支援範囲が広いコンサルファームを各カテゴリーに振り分けました。
・ポリスター:支援項目37つ
・パル:支援項目21つ
・トータルソリューション:支援項目21つ